音響効果な日々

エフェクター解析・製作するで!

【準備】唯一無二の狂気!Clari(not)が来たぞぉぉぉ!

タイトルで分かると思いますが、

今回は変態系エフェクターです。

隠さなくても分かっています、みんな変態エフェクター大好きなんですよね。

このブログを見てもらえばお分かりかとは思いますが、私は変態と呼ばれるエフェクターが大好きなんすよ。

面白い音がして、バンドでは絶対に使えない、そんないじらしいエフェクターがかわいくて仕方ない紳士です。

今回作るのはこれ!

 

Mid-Fi Electronics / Clari(not)f:id:k-taniguchi0709:20200731141520j:plain

 

この写真でピンとくる貴方、なかなか通ですな。

コイツはどのエフェクターにも属さない類稀れな存在なんです。

紹介してるサイトによっても言ってることが違ったりしてまして...

いわゆるディレイなんですが、ディレイとピッチシフターとワウフリッターとビブラートを混ぜたような音です。

ちなみに、私が一番好きな説明書きがここのサイト↓

gizmo-music.com

一部抜粋...

「アナログ・テープレコーダーのワウフラッターを叩きのめして暴走させたかのような」

 

どういう意味や(笑)ってなりますがね、まぁそう言いたくなるような音なんですわ。

言葉ではかなり形容し難いサウンドなので動画でも見てやってくださいな。

youtu.be

ヤバいくらい変態サイケデリックな音が最高でしょ?

このClari(not)はクリーンモデルとFUZZモデルがあり、この動画ではクリーンモデルを使用してます。

最初こそテープエコーのようなディレイサウンドですが、後半になると何がなんだか…言葉で言い表せないレベルでブッ飛んでるエフェクターです。

このエフェクターは入力信号の大きさに対してピッチシフトを発生させ、ディレイと掛け合わせることでおこのサウンドを作っています。

 

コントロールはこの5つ

・Delay
・Depth
・Blend
・Tracking
・Feedback

 

コイツはDepthとTrackingノブがキモです。

Depthでエフェクトの深さ、Trackingでピッキングに対する感度を調整します。

詳しい話は回路図で説明しましょ。

 

ちなみにFUZZモデルにはFeedbackノブが無く、ディレイが一回繰り返されるだけですが、クリーン以上の破壊力があります。

動画がこちら

youtu.be

たまらん…

全く使える気がしないくらいブッ飛んでます…

 

このFUZZバージョンは超有名バンドRed Hot Chili Peppersの曲である、

The Adventures of Rain Dance Maggie」で使用されたことでも有名です。

youtu.be

こういう超変態エフェクターを曲に組み込むセンスがスゲーっす。

さすが世界屈指のバンド。

 

さて、Mid-fi Electronicsというのは海外のインディーズバンドMMOSSのギタリストであるDoug Tuttleが設立したメーカーなんですが、どれもこれもヤバいエフェクターで独特な世界観があります。

ダグのインタビュー記事が載ってるこのサイトもおススメ!

超個性的なペダルブランド「mid-fi electronics」 インタビュー完全版 | アンブレラカンパニー | BUZZ

 

ちなみに、動画が変わるたびに外観が変わってますが同じエフェクターです。製造する度に外観を変えてしまうので、販売サイトにも「同じ柄にはならない場合あります」と記載されてます。

 少し脱線しましたけど、

とてつもなく面白そうなエフェクターなのがお分かりかと思います。

 

 

そんじゃ回路図見てみましょ!

f:id:k-taniguchi0709:20200807192145p:plain

 ちょっと見にくいけどここからダウンロードして見てくださいな。

http://i10.photobucket.com/albums/a113/midfielectronics/mid-fi_clarinot.png

これは海外のエフェクター自作サイトに掲載されてるヤツ。

Free stomp boxes(FBS)が一番有名かな?

 

この回路図はFUZZバージョンです。

私が検索したときにはFUZZバージョンのみ出回ってました。

まずは入力からLM386に入ってますね、ここでFUZZ部分を作っています。

LM386はパワーアンプICにですが、内部でゲインを調整できます。

Clari(not)ではゲインを最大に設定されているので歪みまくってFUZZの音が出るようになってます。

そこからディレイICのPT2399へつながる部分でLED/LDRが出てきました。

そうです、ピッチシフトの正体がこれ。

入力信号からLEDを光らせ、それに応じた変化を加えたのがClari(not)なんです。

ディレイのTimeツマミって演奏中に鳴らすとピッチが揺れますよね。ピュウ~ンとかワオァ~ンとかいうアレを入力信号に応じて変化させてるんですわ。

上の回路図ではDELAY、DEPTHツマミのところに接続されてます。

DEPTHの位置に応じてCdSセル側に流れる量が変わり、DELAYツマミの代わりにCdSセルがDELAYツマミの役割を担うようになります。

そうすることでディレイタイムを決めている抵抗値が入力信号によって変化し、ピッチが揺れまくるわけです。

CdSセルってヤツは、最高だな。

 

 

てなわけでFUZZバージョンはここまで。

レイアウトとか欲しければ海外サイトに出てますんで ↓ のURLから見てください。

effectslayouts.blogspot.com

 

 

正直な話...

クリーンバージョンが作りたい!!

前述のとおり、Clari(not)は二種類あり、それぞれClari(not)clean、Clari(not)FUZZと言われています。

FUZZモデルってのは限定版なんですが、

通常版のクリーンの回路図は出回っていない...

Feedbackツマミの情報も無い...

どうすればいいんだ...

そんなときにたまたま通りかかった海外サイトのDIY Stomp Boxesにてこんな画像を見つけました。

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これは、入力信号を入り口で2方向に分けてしまうことでクリーンの信号はそのままPT2399へ、もう一方はLM386で増幅されてLEDを光らせる電圧にまで持っていくようです。しかし、入力信号をそのまま分けたのでは信号が弱すぎるのでJ-FETトランジスタをバッファーとして使用するようです。

なるほど!

 

それじゃ今度はFeedbackツマミについて調べましょうか。

Feedbackツマミで見つけた回路図がこちら

f:id:k-taniguchi0709:20200810172813p:plain

PT2399から出力されてBLENDツマミに入るところで分岐し、入力へ戻ります。ここでFeedbackツマミの抵抗値が記載ありません。

ここの可変抵抗はFeedback最大時に0Ωになります。あとは最小時にどのくらいFeedbackを残したいかによるでしょうが、今回は50KΩ程度を選択しようと思います。

左上にも値の記載が無い抵抗記号があります。

コイツはFeedbackの上限を決定してます。

Feedbackツマミが0Ωの場合、この抵抗が無いとFeedbackし過ぎてディレイ音が段々と大きくなり、終いには発信します。

そのためこの抵抗器でギリギリのところまで調整しています。

まぁ、10~20KΩ程度が妥当でしょう。

 

 

おそらく、Clari(not)についてここまで言及したブログは国内唯一ではないだろうか...

少々語り過ぎてしまったよ...

 

てなわけで構想編はここまで。

次回はブレッドボードを使って実験していくで!

 

t-tone-works.hatenablog.com