前回のつづき
さぁ、製作を進めていきましょう。
まずはレイアウト
PDFはこちらからダウンロード可能
https://drive.google.com/file/d/18YYgb5wt9C3xgEATtMdo1bID1Qp3Y05i/view?usp=sharing
部品点数はそこまで多くないんですが、回路が結構入り組んでるのでボードマウントポット配線のレイアウト作成には一苦労しましたよ...
あまり好きではないのですがジャンパーを2本入れてます。こればっかりは仕方ないと諦めました。
BLENDツマミの二連可変抵抗器の配線部分周辺が非常に見難くなってしまったので配線無しのバージョンも載せてます。
サイズも1590Bに収まるようにしてます。
それから、今回は表示用LEDも少し違った配線となっているためフットスイッチ周りの実体配線図も載せてます。
これくらい入り組んでくるとユニバーサル基板での製作はかなり厳しいと思いますんで、プリント基板で製作することをオススメします。
時間と根気さえあれば別ですがね。
次は部品一覧
部品点数は中程度ですね、揃えるのも難しくないものがほとんどです。
問題はフォトカプラでしょう。
フォトカプラはLED+CdSセルで自作するか、VTL5C2というフォトカプラを使用するかの2拓ですが、VTL5C2は廃版でどこも売り切れ状態、私が知っているところでは唯一Garretaudioさんが取り扱っていますが、高いんですよ...1個で1000円超えるんですわ。
そんなわけで私はフォトカプラは自作する派です。
販売されているフォトカプラ部品の良いところは暗時の抵抗値が安定してたり、暗→明の時の抵抗値変化速度が数値化されていたりするので狙った音を出しやすく、製品として組み込み易いってことがあります。
好きな方を選んでくださいな。
あとね、LFO回路に使用するデュアルオペアンプなんですが、ぶっちゃけなんでもいいです。
正弦波を出力したいだけなんで音には一切影響しませんよ。
恐らく一番手に入り易いであろうNJM4558Dを記載してます。
TL072でも、LM358Nでも、MUSEでも音は変わりませんので、普通のデュアルオペアンプで十分ですよ。
それじゃ製作
製作はいつもの通りです。
プリント基板の製作方法は過去記事見てくださいな。
完成したプリント基板はこんな感じ
サクっと基板作っちゃいましょう。
部品を載せる順番は背の低い順が組立し易いです。
今回の基板なら
- ジャンパー
- 抵抗、ダイオード
- ICソケット
- フィルムコンデンサ、レギュレーター
- 電解コンデンサ
みたいな感じで取り付けていくとはんだする際に部品が浮き難くなるので楽です。
完成した基板がこちら
実はこのときレギュレーターの向きが逆なことに気づいてませんでした。
正しい向きは写真とは反対なので注意してください。
んで、私は裏蓋を開けたときに基板が見えるように配置したいタイプなんですが、そうする場合は二連可変抵抗器は小型のものを使うことを強くおススメします。
こんなヤツ。
私は16mmの二連可変抵抗器を買ってしまったので16mmポットで製作しましたが、 ケースへの収まりが非常に悪くかなり苦労しました...
16mmポットで作るために上側(シャフト側)の端子を曲げてまっすぐに伸ばし、下側(背面側)の端子をシャフト側へ180度曲げてから部品の足をはんだしました。
これでギリギリ1590Bに入ると思いますが、無理しない方が絶対にトラブル少なくて良いです。1590Nという少し背の高いケースなら入ると思います。
さて、ここで音出し確認。
これ結構重要なんですよ、ケースに組み込んでから「なんかおかしい?」ってなると手間なのでしっかりと確認しましょう。
今回は無事一発で鳴った!と思いきや、BLENDツマミがおかしい...DRY音側に回し切ってもディレイ音が混じる...?
テスターで調べてみるとどうやら信号が下段の可変抵抗からGNDに落ちてない。
もしかしてパターンミスった?
色々確認してみると二連可変抵抗の故障でした。
たまにあるんですが、久しぶりに当たってしまいました...
分解してみると2番端子の接触がおかしい様子。
調整では直りそうもないので速攻で買い直して取り付けると今度は正常に動作しました。
音のレビューは後程。
あとはケースを加工して
ケースを塗装して
ケースに組み付けて
ラベルシールを貼って
ハイ完成。
良い感じです。
早速弾いてみましょうや。
試奏!
うん、良い。最高ですよ。
フワッと薄掛けすればどんな音楽でも対応可能ですし、ガッツリ効かせればとんでもない飛び道具にもなる。
Feedbackツマミを3時以上に上げると発振するし、Depthが最大だと何を弾いてるのかすら分からなくなるくらいにぶっ飛んだサウンドが出てきます。
さらに設定次第ではピッチぐにゃぐにゃのイカれた音が出てきたりしてて飽きないです。
Deluxe Pitch Pirateの名に恥じないイカれた海賊っぷりで大満足です。
気が付けば2時間ほど弾きっぱなしでした...
少しだけ動画を載せときます。
一音しか弾いてないのに、
— ルートワンの三線弾く人 (@ORIENT_Gt) 2021年3月27日
絶妙な気持ち悪さが最高や。https://t.co/8Vgcx1vGSm#自作エフェクター pic.twitter.com/HyKAgVvJLB
今回は元の回路図通りに製作しましたが、入力部のLM386がどうも気になるんですよねぇ。
これ入力が大きければ歪んでしまうでしょうし。
しかし、入力部を半固定にしているってことはもしかして...
「歪ませても面白い音が出るから試してみれば?」ってことなのかもしれないな...
クリーンサウンド前提なら前回のClari(not)CleanのようにFETバッファーで代用しても良いかもしれませんね。
またエコーっぽくディレイ音にトーン機能付け足したりすると面白いかも。
可能性はまだまだたくさんありますね。
今回はこれにて終了。
次回は正統派なエフェクターでも作ってみようかな。
ではでは~