音響効果な日々

エフェクター解析・製作するで!

【準備】CORNISH G-2-DISTORTIONが気になる

今回は過去の製作でも度々取り上げてきたあのメーカーのヤツ作りますよ~

正規金額でおよそ10万円もするディストーション。

 

今回製作するエフェクターはこれ!

CORNISH G-2-DISTORTION

https://makeshop-multi-images.akamaized.net/ToneGold/itemimages/0000000000062.jpg

PETE CORNISH (TM) 製品日本公式代理店

このブログではお馴染みのCORNISHさん。

今回で3台目の登場となります。

過去の記事はこちら~

t-tone-works.hatenablog.com

t-tone-works.hatenablog.com

 

正直なところBOSS DS-1で十分に満足してしまう私には勿体ないレベルですが、

たまたまfreestompboxesを見てて回路図を発見。

なかなか面白そうな回路なので製作するに至りました。

以前より他の自作ッカーさんからもおススメされていたので気合入れて作っていきますよ~

 

まずは音を聴いてみましょう。

www.youtube.com

うむ、なかなかに荒々しく、太いディストーションですね。

しっかり歪むけど纏まりのある感じがとても気持ち良さそうです。

歪みを絞った時も芯がしっかり残っていて使い勝手は良さそう。

ちなみにこのG-2というモデルは、超有名ミュージシャン、ルー・リードのために1990年代に製作されたようです。

ルー・リードさんと言えばThe Velvet Undergroundのボーカルですよね。

世界に多大な影響を与えたバンドが求めた音、堪りませんな!

これは早速作るっきゃないっす!

 

まずは回路図

回路図はこのFSBスレッドから入手しました。

https://www.freestompboxes.org/viewtopic.php?t=9255&hilit=g2

※FSBスレッドからPDFをダウンロードして確認することをオススメします。

 

この回路図はFSBメンバーで出資してペダルを購入し、回路を解析しようってなプロジェクトの集大成として公開されています。

解析した素晴らしいFSBメンバーに感謝です。

さっそく中身を見ていきましょう。

 

入力バッファ

 

毎度お馴染みCORNISHさんのバッファです。

過去に製作したOC-1やCC-1でも同じ回路が使用されていました。

G-2ももれなくトゥルーバイパスではなくバッファバイパスの仕様です。

バッファだけでも相変わらず拘りの回路ですね(笑)

 

バッファ2

回路を追っていくとバッファの次は...

ん!?なんじゃこりゃ???

ほとんど同じ回路がもう一つくっ付いてるんですよ。

バッファから流れてきた信号を次の増幅回路に最適な状態へ調整するためだと思われます。

スルー時の信号だと増幅回路で上手く機能しなかったんでしょうね。

FSBスレッド内でも言及されていましたが、どうやらインピーダンスの関係だとか。

入力バッファと通過するとローインピーダンスの状態になりますが、

どうやら次の増幅回路にはインピーダンスが高い状態で入力する意図があるようです。

それじゃ次の回路を見てみましょう。

 

増幅回路

さて、この回路図なんですが、なんか見覚えありません?

そう、これはほとんどBIG MUFFなんですよね(笑)

過去に製作したBIG MUFFの記事はこちら~

t-tone-works.hatenablog.com

勿論、コーニッシュさんが吟味したであろう回路なのでパクリってわけでは無く、インスパイアと呼ぶようですよ。

BIG MUFFとの違いとして大きいのは以下の2点があります。

①クリッピングに使用するダイオードをシリコンからゲルマニウムに変更

②トーン回路をパッシブに変更

恐らくですが、BIG MUFFの良さはそのままにコーニッシュさんなりの進化を模索した結果なのでしょう。

試奏動画で聴いた感触ではBIG MUFFに寄ってはいるものの、激似ているというわけでも無さそうです。

トーンはBIG MUFFと全く違っており、コーニッシュさんの拘りを感じます。

 

電源回路

コーニッシュさんはいつも電源に拘りまくっちゃうので、セクションごとに違う電源を用意しちゃうんですよ。

でも、あれ?電源回路なのに回路がいつもより小さくない?

いいえ、回路図で見ると小さいんですが今回も4種類の電源が使用されています。

 

TCC→アダプターから入ってきた9Vの電源。表示用LEDで使用。

VCD→増幅回路に使用。

VCA→バッファ2に使用。

 

最後の一個は入力バッファのここにあります。

相も変わらず拘りまくってますね(笑)

電源を分けることで回路同士が干渉しないことを目的としているのだとは思いますが、正直ここまでしなくてもよいのでは?と思ってしまいます。

 

それと最後に出力側にこんなものが取り付けてありました。

アウトプットジャックからGNDへ接続する手前でシャーシGNDとあります。

シャーシGNDは電位を安定させるうえで重要になってきます。

自作エフェクターだとフォンジャックのSleeveとケースが接触するから自然とシャーシGNDが確保されるんですが、CORNISHで採用されているフォンジャックは金属ではなくプラスチックで作られているために別途用意してやらないといけなくなるんですよ。

その手前に10n 1Kvってのは高耐圧コンデンサです。

1Kvってのは1キロボルトです。

これはたぶんノイズ除去を目的としてると思うんだけどよく分からんす。

 

 

さて、以上で回路編は終了!

CORNISH式BIG MUFFと呼べそうですが実際はどんな音がするのか楽しみです。

それじゃ次回は製作編!

ではでは~

 

t-tone-works.hatenablog.com