音響効果な日々

エフェクター解析・製作するで!

【製作】DBAが仕掛ける戦争、FUZZ WARの世界

前回のつづき

t-tone-works.hatenablog.com

 

さて、製作していきましょう。

前回お話したとおり、このモデルは大きく分けて2種類存在します。

せっかく回路図も用意したので今回は2台とも作りますよ~

 

まずはレイアウト!

Ver1(TR7)

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PDFはこちらからダウンロード可能

https://drive.google.com/file/d/12lj3q4Ku-L6NV2L2Ci9VCUpYSeNKxKvl/view?usp=sharing


Ver2(TR4)

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PDFはこちらからダウンロード可能

https://drive.google.com/file/d/1TUzYMBsLQ7O4yoDc7F-gV_ik4kO0bMUm/view?usp=sharing

 

※申し訳ありません。Ver2(4Tr)レイアウトの一部定数に間違いがありました。3段目Trのエミッタ抵抗を100Ωと表記していましたが、正しくは390Ωでした。(2021年2月17日修正)

どちらの配線もFUZZポットは外に配置するようにしています。

そんなに難しい配線ではないのでポイントトゥポイントでも製作可能と思いますよ~

いつものとおりLED抵抗は4.7KΩを選択してますが、ここはお好みでどうぞ。

ゲルマニウムダイオードはシリコンダイオード(1N914とか1N4148とか)よりも大きいので抵抗と同じ程度の長さに配置しないと入りません。初めて使うって人は注意してくださいな。

 

あと、Ver1のレイアウトでは0.68uFのコンデンサ配置がかなりきついです。

注意してくださいな。

 

次は部品一覧~

Ver1(7TR)

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Ver2(TR4)

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 ※申し訳ありません。部品数量違い、記載無い部品がありましたので訂正させて頂きました。100Ω(2→1)、390Ω(1→2)、1KΩ追加(2021年2月17日修正)

 

まず揃わない部品は無いでしょう。1N34も近頃はどこでも売ってます。

私が通う大阪のデジットには無いですが...そんなときはGarretaudioさんに注文すれば解決します。

ちなみにシリコンダイオードでも動作はすると思われます。しかし、音は違ってきてしまうはずですがね...おススメはしません。

 

Ver1/2でトランジスタの種類が違うので注意してください。

Ver1では2N5089を使用していますが、Ver2では2N5088です。

FUZZポットは元々基板上に乗っている半固定抵抗なのでカーブの指定がありません。そんなときはBカーブで問題なし。

 

 

それじゃ製作!

なにせ今回は2台分作りますんでサクサクっといきますよ。

まずはプリント基板を製作します。

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そしたら部品を載せてはんだ付け~

一番楽しい作業です。

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いつものとおりトランジスタは最後に配線。

トランジスタを直にはんだ付けするため極力熱を入れないようにします。

そしたら配線して基板完成!

一先ずの音出しです。

...エゲつないくらい凶悪な音が出るぞ(笑)

Ver1の方はかなり荒い、Ver2は尖りまくってます。

詳しくは後程。

 

 

組み込み!

サクサク行くで!

ケース加工して~

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今回は本家みたいにHAMMOND 1590Bに黒スプレーで直接印字する方法を取りたかったのですが、面倒臭くなってしまったのでいつもの通りシールで作ります。

んで組み込んだものがこちら

黒がVer1

白がVer2

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フットスイッチはトゥルーバイパス配線です。

IN/OUTの実体配線図がこちら~

 

それじゃ試奏するで!

まずはVer1(7TR)から試奏。

強烈の一言です。

かなり荒いファズサウンド。

TONE回路はBIG MUFFと同じようなハイパス&ローパスで可変域が広いですが、やはり使える位置としては3~7くらいまでです。

しっかりとローが出て音圧が凄い。

ネットで写真をみる限り、本家では内部トリムのFUZZツマミは基本的にフルテン状態のようです。

ピッキングニュアンスへの反応が良く、ギター側のボリュームを絞ると歪み方が一気に変わります。

もしかしたら、FUZZツマミを内部トリムにした理由はこの辺にあるのでは?などという想像が広がります。

しかしながら、個人的な感想は「使い易い音」ではないです。

音の飽和というよりは音割れに近い音が飛んできますのでスタイルによってはドンピシャな人がいるでしょう。

 

次にVer2(4TR)を試奏。

BIG MUFFに近い回路だけあってこっちの方が使い易いですね。

また、TONEも少し改善され、音として使えそうな可変領域は広がっている感じを受けました。

TONE部のフィルターパスに組み込まれた680pFがかなり攻撃的なサウンドに仕上げてますね(笑)

かなり刺々しいBIG MUFFって感じです。

こちらはFUZZツマミを絞っても最大でもしっかりとエッジが立ったFUZZサウンドを鳴らしてくれるので弾いていて気持ち良い。

 

率直な感想として、演奏に使い易いのは圧倒的にVer2(4TR)です。

現在はVer1(7TR)は販売されていないため買えませんが、音楽として使うなら絶対的にVer2の方が使い易いです。

しかし、Ver1のほうが面白い音がする。

少なくとも私はそう感じました。

個人的な意見であってどちらが「良い」エフェクターかってのは人によって違いますので、参考までに。

 

 

さてと今回も製作終了。

今回は2台でしたが、こうやって同じ名前のエフェクターでも仕様違いを追っていくと設計者の意図みたいなものがほんの少しでも見えてくるような気がして面白い。

そしてFUZZというジャンルは沼ですな。

さっそく次のFUZZが作りたくなってきてしまった...

 

さて次回は何をつくろうか

ではでは~