前回のつづき
さて、前回の記事で歪まない原因が分かったところで今回は解決編です。
今回で完成させていきますよ~
歪まないときの解決方法
ここでいつもお世話になってるAion Electronicsさんの登場です。
AionさんのところではG-2用の基板を売ってるんですが、そこにビルドドキュメントがあります。
AionさんのCORNISH G-2のドキュメントはこちら。
https://aionfx.com/app/files/docs/cygnus_documentation.pdf
このドキュメントのP6に解決方法が3つほど記載されていました。
英語ですがGoogle先生に翻訳してもらえば問題ないっすよ~
翻訳した内容はこちら↓
①順方向電圧が約0.3Vを超えるゲルマニウムダイオードを使用する。
単純明快な方法です。
回路に合うダイオードを選定して取り付けましょうって話です。
ここに拘って完成させるのが一番G-2に近いかと思いますが、
ゲルマニウムダイオードを何種類用意しなくてはならないのか...
② ゲルマニウムの代わりにBAT41ショットキーバリアダイオードを使用する。
一番手っ取り早い方法です。
ショットキーバリアダイオードは順方向電圧が1V程度なので十分に信号が稼げます。
手に入り易いし、効果も分かり易いと思われます。
③R18に18k抵抗、R19に100Rを使用して初段増幅回路の増幅率を上げる。
一番広く使われている手法です。
初段増幅回路の増幅率を上げて、ゲルマニウムダイオードに流すことで大幅にクリップされたとしても歪むようにしています。
様々な自作サイトさんのレイアウトを見ても、③の方式が採用されているものがほとんどでした。
ちなみにAionさんのドキュメントではデフォルトで③が採用されていて、ダイオードに1N34Aを使用し、トランジスタの抵抗が変更された回路図になっていました。
ダイオード側を変更すると歪みの質も変わってしまうので抵抗側で調整するのが一般的なのでしょうね。
色々と変更してみる
まずはポピュラーな③から試すことにします。
私のレイアウトでは下図の赤文字になっている抵抗2本を変更してみます。
確かに少し歪むようになりました。
しかしながら、まだオーバードライブの領域内な感じがします。
取付したダイオードの方が良くなかったのか?
とりあえず抵抗は元に戻して次を試してみます。
次に試したのは①②のダイオードの変更。
試したのは
- 1N4148(シリコンダイオード)
- 1N914(シリコンダイオード)
- BAT41(ショットキーバリアダイオード)
- 1N34A(ゲルマニウムダイオード)
- 1N60(ゲルマニウムダイオード)
手持ちにあるだけ全部試してみました。
ダイオードを4本とも1N4148に交換してみると、確かにしっかりと歪みます。
1N914でもほとんど同じでしたが、どちらもシャーシャーと歪む感じでデモの音とは少し遠いように感じました。
次に4本ともBAT41に変更。
これは十分に歪みました。音としてもデモの音とは少し違う感覚を受けましたが、シリコンダイオードよりは太く荒く歪んで良い印象です。
次に1N34Aに変更してみます。
最初に取り付けてた1N60より歪まねぇ...
でも歪み方としては一番デモに近いです。
色々試した結果、私の場合は初段(レイアウトの上2本)にBAT41、次段(レイアウトの中央上2本)を1N60にすることでG-2っぽい音になりました。
部品の個体差によるところが大きいですし、ダイオードの種類によって音質も結構変わります。
色んな組み合わせを試してみることをオススメしますよ~
組み込み!
音がそれっぽくなったのでさっそく組み込みます。
実体配線図はこちら~
今回はバッファがあるのでフットスイッチはDPDTを使用します。
「バッファなんて要らねぇ!」って人は3PDTを使ってトゥルーバイパス配線も可能ですが、アウトプットジャックに取り付けされた抵抗2本はバッファを通ることを前提にしているので注意してください。
CORNISHのバッファは所謂KLON Centaurとかと同じく、バッファを通した方が音にハリが出たりメリットの方が大きいので、トゥルーバイパスにするのはあまりおススメできませんがね。
シュシュっと色塗って
ちゃちゃっと配線して
パパっと部品取り付けて
はい完成!
みっちみちに詰め込みました(笑)
なかなかの密度なので大満足です。
試奏しましょ!
これはなかなか良いペダルですな~。
BIG MUFFよりは歪まないんですが、それでもディストーションと呼べるくらいには歪みます。
それでいてピッキングニュアンスが出やすくなってるんで弾いてて気持ち良いです。
ただ、妙に低音が出てくるんですよ。
G-2の回路ってBIG MUFFの回路よりも低音を通すようにコンデンサの定数が変更になってるんで意図したものなんでしょうけど、ちょっと使いづらいかも...
そう思ってたらAionさんのドキュメントに「トーン調整MOD」なるものが記載されてました(笑)
トーン調整MOD
これは「G-2をもっとBIG MUFFに寄せるMOD」です。
AionさんのトーンMODで交換する部品はこちら
• 0.1μF → 0.027μF ×1
• 0.22μF → 0.047μF ×4
• 1000pF → 470pF (セラミック) ×3
上記に加えてAionさんの回路図にはオリジナルから変更されているコンデンサが2個あります。
低音調整用なのでこれも変えておきます。
• 4.7μF → 2.2μF ×2
私のレイアウトでは以下の赤字コンデンサを10個を交換します。
私も実際にこのMODを施してみました。
赤字のコンデンサ10個を変更することでBIG MUFFの荒々しい攻撃的な感じにかなり寄りました。
G-2の音とは少し異なる感じがしますが、個人的にはこっちの方が好きかも?(笑)
ここら辺は好みなので好きにやってくだされ~
これにてG-2完結!
知れば知るほどコーニッシュさんの拘りが溢れまくった面白い回路でした。
回路が大きくて大変なんですが、一度は作ってみる価値のある一台ですよ~
さて、次は何を作ろうかな...
ではでは~