前回のつづき
さて、塗装方法、手順を説明していきましょう。
前回紹介した使用部材で塗装していきますんで部材の詳細は省きます。
塗装の手順
今回はラッカー系塗料での塗装方法です。
ラッカー塗料は入手し易く、比較的安価なんで誰でも簡単に始められます。
前準備として、穴あけ加工などが終わったケースを用意します。
塗装後に穴を加工すると塗装が割れたり剥がれたりするので先に加工する方がオススメです。塗装済みのケースなんかだとラッカー塗装じゃないんで塗装後のケース加工で問題ないんですけどね...
では塗装方法を順を追って説明していきましょう。
①ケース研磨(足付け)
使用部材:紙やすり#400~600(耐水ペーパー)
所要時間:5~10分
実は私がよく使ってるHAMMONDケースやTAKACHIケースなどのアルミダイキャストは金属なので塗料の乗りが良くないんです。
販売してる状態で水をかけると結構しっかりと水をはじくんですよ。
そのためケースの表面に傷をつけて塗料が乗りやすくするんです。
紙やすりの400~600番手で全体的に傷が付くまで磨きます。
形が変わるまで磨く必要はありません。
紙やすりの目が詰まるので水で流しながら磨いた方がいいです。
全体に傷が入ったものがこちら
あっさり傷が入ってるのが分かりますかね?
この状態で台座を取り付けます。
私は会社で捨てられる小さな箱を貰ってきて使ってます。
ケースがある程度固定できればなんでも良いですよ。
両面テープかマスキングテープでケース内側に固定します。
両面テープは剥がすときに剥がし難いものがありますんで、
あらかじめ粘着を弱めておくか、剥がし易い両面テープを使用しましょう。
②脱脂
使用部材:シリコンオフ(シリコンリムーバー)、捨ててもいい綺麗な布
所要時間:3分
用意した布かケースにシリコンリムーバーを少し噴射し、拭き取っていきます。
汚れも一緒に落ちますんで見てて気持ち良いです。
ここまでが下準備です。
全体的に拭けたら次の工程に入ります。
③プラサフ
使用部材:プラサフスプレー
所要時間:噴射5分、乾燥30分~1時間 × 2回
ここからケースに塗料を吹いていきます。
最初はプラサフです。
車を塗装する知り合いに教えてもらいました。
いまのところHoltsのプラサフスプレーしか使ってませんが、容量も多くて使い勝手がいいので気に入ってます。
私はグレー色のプラサフを使用してます。
色付きだとどこに噴射したかが一目瞭然ですね。こういうところも優秀。
これを2回塗ります。
1回で厚塗りする必要はありませんので焦らずに噴射しましょう。
1回吹いて乾燥させた状態がこれ
見にくいですけどうっすらと下地が見えてて綺麗なグレーにはなってませんが、1回目はこんなくらいで問題ないです。
というかもっと薄くても問題ありません。薄すぎたら噴射回数を増やすだけです。
2回吹いて乾燥させた状態がこれ
しっかりと全体がグレー色になったのでこれでプラサフ終了です。
ちなみに、2回目を吹き終えたら十分に乾燥させた方が良いです。
Holts公式では約40分で乾燥する速乾性と書いてあるんですが、私は心配症なので常温なら2~3時間程度は乾燥させます。
しっかり固まってから次の工程に行きましょう。
④プラサフ足付け
使用部材:紙やすり#1000(耐水ペーパー)
所要時間:5~10分
プラサフがしっかりと固まったら紙やすりで研磨します。
プラサフは削れ易いのでガシガシ磨くとすぐに下地まで削れてしまいます。
ここは慎重に行きましょう。特に角は注意!
水を付けながら水研ぎしていきます。
空研ぎすると速攻で剥げるので止めときましょう。
紙やすりは1000番手程度のものを使用し、水を付けながら研磨します。
ぶっちゃけ、角は2~3回撫でるくらいでもいいです。
研磨したあとのプラサフは触り心地がサラサラになりますんで研磨できてるか分かり易いですよ。
プラサフは下地の効能として小さな凸凹なんかを埋めるパテ的な要素もあります。
ここの研磨具合で仕上がりのツルツル感が変わってしまいますんで慎重にやった方がいいですよ~
研磨した状態がこちら
薄っすらと傷がはいってるんですが写真ではかなり分かりにくいんです...
こうなれば次の工程へ。
②再脱脂
使用部材:シリコンオフ(シリコンリムーバー)、捨ててもいい綺麗な布
所要時間:3分
プラサフ研磨で付着した汚れ、油分を除去します。
全体的にサッと拭き上げるだけで大丈夫ですよ~
⑤着色
使用部材:好きな色のスプレー
所要時間:噴射5分、乾燥30分~1時間 × 2回
ようやくここまで来ました。着色です。
これも2回吹きますんで厚塗りではなくていいですよ~
今回はTAMIYAカラーのライトグリーン(ツヤあり)を選択しました。
プラサフの時と同じで1回目は下地がうっすら見えるくらいで全く問題ありません。
2回吹き終えた状態だとこんな感じ
ここもプラサフと同じで色ノリが足りないと感じたら吹き付け回数を増やせばいいだけです。
ツヤ有りを使ってますが、光沢感は薄いです。
次のトップコートで光沢感を出していくので問題ないですけどね。
これも吹き付けが終わったらしっかりと乾燥させます。
⑥トップコート
使用部材:プラモデル用トップコート
所要時間:噴射5分、乾燥30分~1時間 × 2回
ここでも2回吹き付けます。
光沢感が足りないと思えば吹き付け回数を増やせばいいので厚塗りしないように。
最後にしっかりと乾燥させれば完成!
さっきの写真と大差ないんじゃ...?
いえ、実際には表面のザラザラ感だったり光沢感が少し違うんですけどカメラの限界でほとんど同じような写真になってしまいました。
缶スプレーでの塗装なら一先ずここまでできれば上出来でしょう。
さらにピカピカにしたい場合はここからコンパウンドで磨くと綺麗になります。
まぁ、ピカピカにしたところでどうせ足で踏むものですからね。
傷が入って当たり前なのでここまででも十分ではないでしょうか。
最後に
塗装って綺麗に出来るとほんと楽しいのでぜひやってみてもらいたいです。
しかし、これから自作エフェクターの塗装を始めてみようかなって人にお伝えしておきますが始めはほぼ100%上手くいきません。
噴射量や乾燥時間などはスプレーの種類や作業環境によって左右されてしまうので、最初は失敗してもいいので「どう噴射すればいいか?」や「どのくらい乾燥させればいいのか?」など、試行錯誤を繰り返してみてください。
繰り返してたら必ず綺麗に仕上げれるようになりますんで。
まずは手始めとして、この記事がせめてもの参考になればと思います。
あと!塗装は自己責任で周辺環境や人体に配慮しながらやりましょう。
これは塗装だけでなく自作に関わる全てに言えることですが、
今回紹介した部材でも誤って使用すれば取返しの付かない事故につながる場合があります。
如何なる損害が発生しても誰も責任を取ってくれません。
十分に注意して作業しましょう。
それでは良き塗装ライフを!
ではでは~