今回も修理。
先日、お知り合いのミュージシャンから修理して欲しいと依頼された1台。
それがこれ
mini kaoss pad 2 / KORG
初めて見た(笑)
調べてみるとDJセットの外部エフェクターとして使用されている機器のようです。
症状をお聞きすると、
「タッチセンサーが右半分だけ反応しない」
「マイクボタンが外れて中からカラカラ音がする」
だそうな。
聞いただけだとボタンは何とかなりそうな気がするけど、タッチセンサーは無理かも...?
一先ずお預かりすることに。
症状確認
まずはボタンを確認。
確かにマイクボタンがスカスカしててボタンが押せない。
次にタッチセンサー。
上側の横長タッチセンサーのセンターからプラス側にかけて反応が無い。
う~ん...これ、センサー自体が壊れてたら無理かも...
さっそく分解
とりあえず分解してみます。
背面カバーを開き、背面パネルのネジを外していきます。
ネジをすべて外して裏蓋を開けたところ、
「ポロッ...」
表面実装部品が剥がれていました。
よく見てみるとボタン。
マイクボタンの箇所を見てみると、やはり外れています。
ボタンははんだするパッドが剥がれていなかったので再利用して取り付けることにします。
力が加わる部分なるので少し多めにはんだを盛っておきます。
ここはこれで何とかなりそうです。
ここで一度電源を入れて確認。
マイクボタンは正常に戻りました。
外れたボタンがショートしてタッチ不良になってたのかも?と思いタッチセンサーを触ってみたのですが反応せず。
一筋縄ではいきませんな。
次に基板のタッチセンサーが取り付けてある面を確認すると、タッチセンサーが基板と一体になっており取り外せない状態でした。
これはもしかして無理か...?
とにかく、他に原因が無いか基板をよく調べていきます。
すると...
むむ?
ICの足の色がなんかおかしいぞ?
拡大すると一目瞭然ですね。
緑青が発生していました。
緑青(ろくしょう)ってのは銅や真鍮なんかが参加することで発生するサビのこと。
別名青サビと言われてますね。
これの原因の多くは水分なんですが、周辺を見ても液体が走った痕跡が無いので原因は掴めず。
さて、これが原因か分かりませんが、とりあえずアルコールと綿棒で緑青を除去してみましょう。
完全とは言えませんが、かなり除去できました。
さっそく起動してみるとタッチセンサーが左右端まで見事に動き出しました。
無理かもと思ってたのでホッと一息。
緑青が原因で端子間がショートし、タッチセンサーの信号が遮断されていたのでしょう。
組み上げてすべてのボタン、タッチセンサー、表示を確認。
異常なし!!!
無事終了
いや~今回は無理かと思いましたよ(笑)
タッチセンサーとかの特殊部品などは自社設計がほとんどと思うので代用が効かないんですよね~。
載せ替えるのも難しいし...
緑青除去だけで直ったのは奇跡的!かなりのラッキーですわ(笑)
ご依頼主も「無理なら買い替えしかないかな...」ってな話をしてたので無事直って喜んで貰えました。
正表面実装基板のエフェクターって修理に向かないですけど、
ずっと使ってきた機材で愛着あると「買い替えればいいだけ」では片づけられなこともありますよね。
ずっと使い込んだモノは良い音が鳴る気がします(笑)
次は何をしようかな~