あなたは「RodeoDrive」をご存知だろうか...
知らない人の方が多いはず。
あのGoogle先生でもほとんど情報がない幻の国産エフェクターメーカー。
今回はそのメーカーのエフェクターを回路解析していこうと思います。
RodeoDriveってなに?
さて、まずはこちらの画像を見て頂きたい。
過去のギターマガジンに情報が載っていました。発刊は1999年11月。
某ウイスキーメーカーのラベルをほとんど使い回したツッコミどころしかないような外観は、この時代だから許されたのかもしれない。
当時の18000円という金額はよくわかりませんが、1997年に発売された超有名エフェクターのBOSS OD-3が10000円だったことからすると...高い方かもしれません。
実はこれ以外はネットにほとんど情報がないんですよ。
メーカーも現存しているか不明。
オークションサイトでは時々出品されているらしく、9000~10000円くらいで取引されてるみたい。
RodeoDrive / STOP WAH PEDALについて
こちらを見てくだせぇ。
そう、実は私はRodeoDrive所有者なんです。
このSTOP WAH PLUSはオートワウ、半止めワウの音が出せるエフェクターなんです。
2005年頃に知り合いからもらってから大事に使ってきました。
このエフェクターの私なりの評価
- ワウの音は気持ちいい
- オートワウのツマミは使えるポイントが狭く、セッティング次第ではほとんどスルー音みたになり使い道が限られる。
- 音ヤセがすごい。ONにした途端に音量ががっつり下がる。
そうです、ダメな子なんです。
ネットに情報が無いのは多分、ほとんど出回らなかったためだと思います。
それほどまでに売れなかったエフェクターだと思われます。
でもね、私はそういう不器用なエフェクターが大好きなんですわ。
あとこの写真の電池BOXを見てください。
スライドさせて開ける方式なんですわ!
よくRATなんかでは裏蓋が欠損したやつよく見かけますが、こいつはそんなことにはなりません!こんなところだけユーザー思いなところも好き(笑)
まずは分解!
さっそく回路解析するために分解していきましょう。
まずは外観で外せる部品、ナット、ネジをすべて外します。
んでもって部品などを傷つけないように回路基板を外します。
こんな感じです。
結構普通の部品を使ってました。
なんか一箇所だけパターンが削られ、リード線で延長してあります。
基板作ってから判明した間違いなんでしょうね。
この基板面をトレースして、部品を照らし合わせて回路図を作成していきます。
トレースした回路図がこちら!
まず入力側からバッファー回路に入ります。
そのあと、上記回路図では二手に分かれますが、上側がオートワウの成分を作っています。
少し拡大しましょう。
まずは下側ですが、反転増幅回路に入ります。
ここで4700pFが二つあります。これがTブリッジ回路って言います。
これはLPF(ローパスフィルター)とHPF(ハイパスフィルター)を組み合わせて特定の周波数を取り出す回路なんですがここの周波数を演奏中に変化させることであのオートワウサウンドを作っています。
ここで少し寄り道を。
LPF、HPFはコンデンサと抵抗の組み合わせで作るんですが、これはエフェクター回路のいろんなところにあります。思いがけないところでフィルターが形成されてるなんてこともあります。
こんな感じです。
これの抵抗部分を回路図の上側で制御してオートワウのワウワウ部分を作ります。
次は上側の方いきましょ。
トランジスタは細かいこと言うと色々あるし種類も沢山あるんでざっくりです。
トランジスタはベースに信号入力することでコレクタ、エミッタ間の電流を制御してます。入力側からの信号が大きければトランジスタが動作し、Tブリッジ回路との組み合わせで形成されたフィルターの値が変化するためワウサウンドとなります。
半止めワウはこのフィルター部分を固定することで効果を得るようになってました。
回路的にはごくごく一般的なオートワウでよく見かけるものだったので少し残念。
あ、なんか不思議だなと思ったんですが、
分圧回路にツェナーダイオードが使われてました。5.1Vツェナーでしたが、これはなんか意味があるのかな?コストダウン?
その手前に3.3kΩが入ってますが、これとツェナーは10KΩ抵抗2本とかで代用できます。
一応今回トレースした回路はブレッドボードで動作確認済みです。
(だれも作らないだろうけど...)
というわけで今回はこれで終わりです。
なんとかこいつを「使えるエフェクター」にしてやりたい...
これからブレッドボードでいろいろ弄ってみます。
納得いくもの出来たら作るかも。
ではでは~