音響効果な日々

エフェクター解析・製作するで!

【準備】CORNISH CC-1がついに解析されたぞ!!

そう、それは衝撃的な記事でした...

あのエフェクターが解剖され、解析されたとの記事...

今回作るエフェクターはこれ!

CORNISH CC-1

https://shop21-makeshop.akamaized.net/shopimages/ToneGold/0000000000012.jpg

これはすごいニュースでしたよ。

以前、CORNISH OC-1の時もお話したんですが、CORNISHは内部の基板が全てモールドされており裏蓋には開封厳禁のシールまで貼られてます。

もし剥がしてしまうと保証は一切受けられません。

しかも、CC-1の価格は約10万...

そんなことを気にも止めない海外のヤツラ、完全にイカれてます。

もうね、大好きですわ。

 

てなわけでまずはCC-1の試奏動画でも見ましょか。

youtu.be

う~ん、ムッチリとした吸い付くような歪み方しますね。

コントロールもしっかり効いてて使いやすそう。

ちなみにCC-1はCORNISH CRUNCHのことだそうです。

シリーズの中でもローゲインを売りにしてるヤツですわ。

 

さっそく回路図見ましょ

今回CC-1を解析したのはおなじみAion Ectronicsさんです。

以前OC-1のときも色々と記事を見させてもらってました。

aionelectronics.com

ここのブログでCC-1の記事が公開されたんですわ。

これね、ぜひサイトに飛んで内部写真を見てもらいたい。

まさか10万するエフェクターをこんなことするなんて...

aionelectronics.com

回路図はAion Ectronicsブログ内からダウンロードできます。

https://aionelectronics.com/wp-content/uploads/2020/09/cornish-cc1-trace-schematic.png

これが全貌、今回も拘ってますなぁ...

昨今、歪み系だとだいたい回路が決まってて味付けを変えるのはよく見る気がするんですが(主にTS系とかケンタ系とか)、この回路図は結構面白い構成してます。

歪みを作る部分だとかはCORNISH独自の回路になってますし、電源も拘りまくり。さすがはCORNISHさんです。

さっそく詳しく見ていきましょう。

 

まずは電源部から

はい、今回も拘りまくってますよ~

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CC-1で使われている電源経路は全部で5つ!

そんなにいる?!ってなりますよね、私もそう思います。

でもCORNISHさんは要ると判断したんでしょうね...

何が違うのかさっぱりですわ...

 

次は初段

いつも通りのCORNISH BUFFERです。

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この拘り詰まった感じ。堪らんっすなぁ...

ちなみにここで使われてる電源のVCはここでしか使いません。

バッファーだけに専用の電源経路を用意するなんつー訳わからん話になっとるんですわ。

さてと次々行きましょ。

 

次は2~3段の歪みステージ

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ここで面白いのはGAINの位置。

普通のTS系ならR11辺りを可変抵抗にして増幅するのが主流なんですが、全く違うところで増幅してます。

1段目は非反転増幅なので、+入力と-入力の差が大きければ大きいほど増幅率は変化します。そのためC7の0.47uF(470nF)と可変抵抗でハイパスフィルタを形成して増幅率を変化させ、次段の反転増幅回路のクリッピングステージと一緒に歪みを作っているようです。

こういうの考えるところはやっぱりスゲーや。

あと、電源はここではVAとVBを使います。これもバッファーと同じくここだけでしか使いません。なんとも贅沢~

 

お次はトーン回路

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※2021年9月に更新された回路図を参照しています。(R22、R23、R24の値)

これもなかなか見たことない回路だな...
クリッピングステージから入ってきた信号は各つまみに入ります。

任意の場所から次段の反転増幅回路へ。

そこでさらに増幅されて出力されてるわけなんですね。

このトーンはブースト方向なので幅広い音作りができるのも納得。

んでここでは電源がVDとVEを使ってます。

 

ここで少しだけ疑問がありました。

VAとVBは分かるんですよ、VAは9V、VBが分圧回路を経由した4.5V、この2つでオペアンプを動かしてます。

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これね、そこにバイパスコンデンサが繋いであるってのはどのエフェクターでもよく見ます。次はVDとVE

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全く一緒なやないかい!どうなってんねん!!

なんでそんなことすんねん!!!って思ってたんです。

今回使われているICはTL072とTL071、2回路入りオペアンプと1回路入りオペアンプです。

おそらくですが、使われる場所によって電圧が若干揺らぐのを防いで、しっかりと意図した音が出力されるように配慮した結果なんではないかと思います。

CORNISHさんらしい配慮ですね。

しかし、まさかOC-1より多いなんて思いもよりませんでしたよ...

 

そして出力!

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ここは他のエフェクターと大差ないですね。

いつもの通りって感じします。

 

あと、謎な部分が一つ...

電源部の横に記載されていたこれ

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なんじゃこりゃ?

エフェクターはたいてい筐体が金属ですが、ケースとグランドとの間にコンデンサ?ってなったんですが、これはノイズ対策とフレームグランドだと思われる。

普通の自作エフェクターならナットやワッシャー、ジャックの筐体と接触する部分が金属なので自然とフレームグランドが形成されてるんですよ。

しかし、写真のCORNISH OC-1で使われているIN/OUTジャックはケースと接触する部分がプラスチックなので筐体がグランドと接続されていません。

そのためここでの接地が必要になってくるってわけ。

コンデンサは交流成分用かな?ここは勉強不足です、すんません。

知ってるお方々、お知恵をお貸しください...

 

 

いや~ずいぶん長くなってしまいました。

部品やレイアウトは次回!

レイアウトの製作とか検証とかで少し時間がかかるかもですが...

ではでは~

 

t-tone-works.hatenablog.com

 

 

あ、僭越ながら...

私は大阪で「ルートワン」ってバンドやってまして、

MV作ったんでちょこっと宣伝しときますわ。

お時間あればすこ~しだけ見てってくだされ~

youtu.be