今回は誰でも簡単に作れちゃうアレを作りますよ。
ループボックス
最近検証用に欲しくなったので久しぶりに作ろうと思います。
いわゆるA/Bボックスです。
エフェクターを自作するほとんどの人達が一度は作るもの、それがループボックス。
初めての人におススメするには理由があるんです。
- 基板が要らない
- 好きなレイアウトで作れる
- 実用的
- 電源が無くてもOK(LED無しの場合)
慣れれば直ぐに製作できますよ。
しかし、ループボックスにも多種多様あるので自分の使い易い配置やループを考えるのもまた楽しみの一つですね。
それでは製作していきましょう。
スイッチ
まず製作に入る前に、
ループボックスの重要な部品であるスイッチについて説明しておきましょう。
スイッチの動作を理解すれば独自の配線もお手の物です。
それこそ、自分にピッタリのものを製作することも可能。
単純な動きだからそんなに難しくありませんよ~
種類
オルタネイトスイッチ
これはほとんどのエフェクターに使われているON-ONスイッチ。
押すと切り替わるヤツです。
押したときに「カチッ」という音と感触があります。
モーメンタリスイッチ
これは押している間だけONにするスイッチ。
BOSSのスイッチなんかでも使われています。
個人でエフェクターを自作するならあまり使わないと思います。
仕様
スイッチ1個につき回路が何個入っているかというものを「〇回路〇接点」と表記されます。
ネットなどで部品を購入する場合は間違ったものを購入しないように注意しましょう。また、レバースイッチでは中点が設定されているものもありますんで間違えないように。
その中でもよくエフェクターで使われるものを何種類か説明しときましょう。
一回路一接点(SPST)
レバースイッチです。片側で接点がON、片側でOFFになります。
端子が2個しかないので分かり易いですね。
一回路二接点(SPDT)
端子が3個あります。
レバーを倒す方向によって中央と左右の端子が接触します。
歪みのクリッピング選択などで見かけます。
中点が設定されているものもあり、中点の状態ではどの端子も接触しません。
二回路二接点(DPDT)
エフェクターのフットスイッチでも見かけますね。
バッファー入りエフェクターではよく使用されます。
一回路二接点が2個一緒になっているものです。
切り替え時は2個とも一緒に切り替わります。
三回路二接点(3PDT)
エフェクターでよく見るヤツです。
トゥルーバイパス配線ならこのスイッチですね。
一回路二接点が3個一緒になっているものです。
切り替え時は3個とも一緒に切り替わります。
動作
スイッチの基本的な動作を表にまとめました。
赤いラインが接続している箇所です。
SWが動作すると内部のシーソーのような部品が接点を物理的に変化させます。
一番上がなにも接続していない状態。
二番目と三番目がSW操作により切り替わり接続される箇所。
端子の向きに注意が必要です。
もし向きが分からなければ、テスターで導通を確認するのが確実です。
さて、ここでいつものトゥルーバイパス配線を見てみましょう。
仮にスイッチの端子を以下のように番号で記載した場合、音の通り道は...
エフェクトON時は下2列が接続されるので
1→8→5→7→4
エフェクトOFF時は上2列が接続されるので
1→4
となります。
そして、エフェクトOFF時はエフェクトINの端子がGNDに接続されるようになっており、可能な限りノイズを入らないように配慮されているんですよ。
この配線方法はほんの一例です。ほかにも様々ありますが書ききれませんね。
製作
さて、ここからは色んなループボックスのレイアウトを紹介していきましょう。
一応LEDを接続するように表記してますがお好みでどうぞ。
LED抵抗はお好みで変えてください。
1Loop Box
これはスルーするかループするかを選択します。
いつものトゥルーバイパス配線ですね。
そんなに難しくはないです。
2Loop Box
1Loop Boxを2個並べたヤツです。
AループとBループを個別にON/OFFする配線です。
もっとループを増やしたいならこの要領で並べていけばいいです。
ただし、1個づつの切替が必要なんであまり多くは要らない気がする。
A/B Box
A/BチャンネルのIN/OUTをスイッチで選択します。
ギター2本の切替やアンプの切替などで重宝する箱ですね。
スイッチの種類が違いますが、この仕様ではRETURNが無いのでLEDもコミコミでDPDTで製作可能です。
A/B Loop Box
スイッチでAループとBループを切替します。
この配線では必ずA/Bのループを通るためスルー音は出ませんが、どちからのループにシールド挿しとけば1Loop Boxとしても使えるしおススメです。
Tuner out / Mute SW
どうせならもっと実用的にって人におススメ。
各ループボックスの入力側に取り付けることで用途の幅が広がります。
というかAB BOXだから画像は必要ないですよね(笑)
単純にAB BOXの片側をTuner OUTにすればいいだけです。
Mute SWは配線しなきゃいいだけ。
そんでもって今回は検証用にスイッチ1個でAループとBループを切り替えたいので、
A/B Loop Boxを製作します。
製作したものがこちら
「エビちゃん」と命名。
何てこたないA/B Loop Boxです。
配線にはすずめっき軟銅線を使用しています。
こんなヤツね。
これは部品の足みたいなやつです。
簡単に曲げれて、ある程度固くて、はんだ付けしやすい銅線。
初めて使いましたけどなかなか面白い。
簡単な回路などで空中配線するなら使ってみても良いかもね。
あとはユニバーサル基板でPtoP配線してるときに「部品の足が届かない...」なんていうときに使えます。
特にGNDのラインなんかでは重宝しそう。
通常の配線材とは違う為、音には影響あるんだと思いますが...
私の耳では分かりません。
今回はここまで。
前回のJan Rayをこのエビちゃんで検証する予定です。
エフェクターの迷信めいたものを検証していくのも楽しい。
では、また次回~