前回のつづき
いやーずいぶんと間を空けてしましました。
なにせ仕事が忙しい時期だったもので...
早速製作に取り掛かりましょう。
まずはレイアウト
PDFはこちらからダウンロード可能
https://drive.google.com/file/d/1NAZnfXogONpLcEJmHZhZesWVKvnNFSvY/view?usp=sharing
こんな感じです。
ぶっちゃけた話、レイアウトなんてネットを探せばいくらでもあります。
もっと小さく配置されたものも多いのですが...
基板直付けポット配線が見当たらないんですよね。
恐らくですが、理由は回路の組み方でしょう。
GAIN→BASS→TREBLE→VOLUMEの順に配置しなければならないのですが、
TREBLEまでが結構近いのでなかなか厳しいんですわ。
私は基板直付けポットのほうが基板固定が楽だし、ワイヤー配線も少なくなるから大好きなんです。
微妙に基板サイズが大きくなることと、ポット配置レイアウトの自由度は下がってしまいます。
レイアウトを作る際はPtoP配線でも製作できるようになるべく三差路を作らないようにしてるんですが、今回は全くもって無理でした...
PtoP配線ならHomemadfxさんとかの配線がおすすめです。
それじゃ部品一覧見ていきましょ
少ないですね。
普通の部品使えば総額でも5000円切るくらいになると思います。
セラミックコンデンサに0.1μFがあります。
これは電源用です。電源部の回路にはセラミックコンデンサの方が特性的に良いらしい。私はあまり実感がないのでいつもフィルムで代用してましたがね。
あと、一覧では可変抵抗器B10KΩを二個と記載していますが、私はちょっと変更してVolumeにA10KΩ、TrebleにB10KΩを使用しました。
Jan rayのVolumeノブはだいたい9時くらいでスルー音と同じの音量になるんですよ。
意図したものなのか、コスト面なのか、理由は不明ですが、いろんな記事みててもそういうモノらしいです。
私はなるべく調整しやすくしたかったのでAカーブを選択しました。
BカーブからAカーブに変えて出音が変わるってことはないでしょう。
LM4558はあまり見かけないのでNJM4558Dで代用。4558などのデュアルオペアンプならどれでも動作するはずです。
さて製作しましょう
今回は少し実験的なことをやっていこうと思います。
世の中のエフェクターには「ポイントトゥポイント配線してるから良い音鳴ります!」みたいな信仰めいたものが存在すると思います。
たしかにプリント基板では部品と部品を繋ぐ配線に銅を経由しており、尚且つ音が通る部分が部品の足の方が太いので信号には若干の影響が出るとは思っています。
しかし一般的な売り文句はというと...
「ハイ落ちしない!音圧が出る!」
なんつーことを言ってるのを時々見かけます。
特に某オークションサイトとか...
でも実際のエフェクターはほとんどがプリント基板を使用してるんだから対して変わらないんではないの?
ほんとに良い音ならどのメーカーも取り入れてるでしょうし。
しかし、比較していないのに文句は言い難い...
それなら2台作って比較すればよいのでは?
全くもって無駄な思考で2台作ってしまいます。
1台はプリント基板、もう一台はユニバーサル基板(PtoP配線)で基板を製作。
部品は同じメーカーを使用、配線の長さ、レイアウトなども含めて可能な限り近くなるように製作しブラインドで比較してみることにしました。
まずは基板から製作。
PtoP配線での製作はこの記事からどうぞ~
プリント基板の製作はこの記事からどうぞ~
んでもって完成した基板がこちら
ケースも全く同じ加工なのでそんなに大変ではないです。
んで配線して完成~
ここでは対して言うことももうありませんな。
あ、トゥルーバイパス配線含めた実体配線図はこうなってます。
今回はLED用の抵抗が基板に乗らなかったので、フットスイッチに取り付ける方法で配線していきます。多少慣れが必要ですが、そんなに難しくはないです。
基板に余裕がない時にお試しくださいな。
そんじゃ音出し!
Jan rayはほんとに良い音なりますね。
Gain下げ気味でプリアンプ/バッッファー的に使っても良い。
歪ませて単体での歪みでも良い。
トーンのバランスもちょうど良い。
そして内部トリマのサチュレーションツマミ、これが絶妙にチューニングされてます。
このツマミは左に回すほど高域が出てきます。右に回すほど低音成分が強調されます。
本家もそうらしいです。
そもそもサチュレーションとは「飽和」の意味ですが、ここでのフィルターを調整することによって音全体を「シャキッ」とさせたいか「ズッシリ」させたいかを選べるようになっているのだと思います。
恐らくどちらが0とか10ということではないということなのでしょうね。
いい具合の場所を見つけてねって話ですわ。
ちなみに左一杯にすると設定などによっては発振しますんで注意してください。
それと、ノイズが凄く乗ります。
変化させてる帯域に起因していると思われますんで仕方ないでしょう。
個人的にはサチュレーションツマミは4~7程度で調整するのが良さそう。
いや~やっぱり凄いエフェクターですわ。
何回作っても良い音だと思います。
さて問題はここから。
プリント基板とPtoP配線、どちらが良い音なのか?
これを検証していきましょう。
うん、う~ん、ん?
全く分からん。
たしかにほんの僅かに違いはあるのですが、多分部品の個体差によるもの。
明確に「ここが違う!」なんてのは見つけられませんでした。
ネットなどで調べてみると、アンプの基板では結構違いが出るらしい。
流れる電流量、電圧量などが影響するのかもしれません。
メーカーが取り入れない理由は製造コストでしょう。
PtoP配線なんて基板1枚作るのに何時間かかるんやって話だし、そもそも一定の品質を保たなければならないのに手配線ってのは無理があると思います。
私的には
「自分でエフェクター作るなら作りやすい方でどうぞ」
くらいですかね。
部品点数が少ない簡単なレイアウトならPtoP配線で事足りるでしょう。
部品点数多数、レイアウトが複雑な場合は配線間違いなどで失敗する可能性が非常に高いです。用途に応じてプリント基板を製作することをオススメします。
私は過去にKLON CantourのコピーをPtoPで製作した際に、基板を3回作り直しました。
もちろん部品代はほぼ3倍になります。
いまだに悔しくて部品箱のなかに取っておいてます(笑)
PtoP配線は失敗したときの落胆と修正が大変なんすよ...
まぁ好きなほうで作ってくださいな。
2021/3/16追記
スタジオで音を出してきました。
うん、確かに違いました。
実際の動画がこちら
MID辺りの広がり、歪み方が変わったように聴こえた。
— ルートワンの三線弾く人 (@ORIENT_Gt) 2021年3月16日
けど、弾き比べないと分からんレベルなので誤差ということにします(笑) pic.twitter.com/1H5hJKtxrG
PtoPの方がミッドの膨らみや歪み方が上品で、弾いていて気持ち良い。
プリント基板の方は平均的に歪んでいる感じで使い易い。
今回弾き比べしてくれた動画の方に中身は伝えずどっちが好きかを聞いたところ、PtoPの方を選んでました。
また別の日に違う方に弾き比べしてもらったんですが、その人もPtoPの方が好きと答えました。
色々実験してみましたが、ぶっちゃけた話...
「デカい音で弾き比べて僅かに違うくらいの差」
ってのが私の中での結論です。
僅かな違いのためにPtoP配線の手間をかけるほどではないと思います。
誤差と言われればそれまでのようにも感じますし。
人によっては「どうでもいい」「知らんがな」と言われかねないですよ(笑)
正直な話、これを謳い文句にしてるエフェクターはオカルト要素満載な気がします。
これにてJan ray製作終了。
今回の製作でまたJan rayが増えてしまった。
全く使う予定はございません。
もしも、「弾き比べてみたい!」ってな奇特な方、いらっしゃいましたら一緒にスタジオ入りましょう(笑)
ではでは~