いやー暑くなってきました。
こんな時は外なんか出ずにクーラー効いた部屋の中でひっそりとエフェクターの自作に励みましょうや。
今回製作するエフェクターはこれ!
Friedman BE-OD
これ知人のギタリストが持ってて聴かせてもらったんですが、凄かったんですわ。
とにかくよく歪みます。内部のトリマーを調整すればゲイン量が変化。ロックからメタルまで幅広くカバーしてくれそうなヤツ。
さっそく試奏動画みてみましょか。
スゲーわ。
ちなみにFriedmanの公式HPではBE-ODはオーバードライブとして紹介されてます。
元々はFriedmanのアンプBE-100をペダルでってことで設計されているようで確かに良い音します。倍音もしっかり出て音の分離も程よい。しかもこれが2万弱で販売できるのもすごいわ。各コントロールの可変も十分だし、オーバードライブ~ディストーションくらいまで対応可能な可変幅は使い勝手よさそう。
ただ、音の感じからするとジャズとかブルースとかは無理かな(笑)
では回路図~
今回の回路図は色々見た中で海外サイトのPedalPCBさんから拝借。
回路図のダウンロードはこちら
https://www.pedalpcb.com/docs/ThermionicDistortion.pdf
バイアス電源にオペアンプが使われてますけどこれはバイアス電源を低インピーダンスにするために使ってます。Shur Riotとかが有名。
初段から2段目、最終段のICは非反転増幅ですが3段目と4段目は反転増幅になってます。非反転増幅回路ってのは色々と理由はありますがここもインピーダンスの関係で使い分けてると思われます。
ギターの入力インピーダンスって高いのでそこに合わせて入力では非反転増幅回路を用いることが多いです。バッファー回路でよく見かけます。
この回路では一番最初のICがバッファーとして機能してるんで非反転増幅回路になってます。そこからゲインステージ、トーンステージが続きます。
クリッピングではLEDの対称、ダイオードの対称、LEDの対称と盛り込みまくり。
全体的に緻密に設計がなされている感じを受けました。
過去に製作したGorldenPearlの時もそうでしたけどさすがアンプメーカーだけに音に拘りが満載な感じ大好きですわ。
ではレイアウト~
実は結構前から作ろうと思って部品も買ってあったんです。
でもいろいろ出回ってるレイアウトで良い感じのやつがなくて自分でレイアウトを作ってたんですが、部品点数が多くてなかなか収まらない...今回は「1590Bに収まる」「ポットを基板に直接配線」「本家と同じツマミ配置」というレイアウトで作ってたんですがなかなか厳しかったんで放置してました。
なかなかレイアウトが収まらないので、あまり好きではないんですが今回は抵抗とかを立てて配置したり、ジャンパー線を使用したりしてます。
PDFはこちらからダウンロード可能
https://drive.google.com/file/d/12H7HKiqqg6TFygZ7eV2lrOdU01ia4YS9/view?usp=sharing
何度かレイアウトを作り直しましてようやくここまで小さくなりました。
ダイオードは1N4148を使用します。これも立てないと入りませんので向きに注意が必要です。
ホントは回路図通りなら入力部の470KΩにかかるバイアス電源(黄)はバイアス電源ICの入力前なんですが、レイアウト的に無理だったんで仕方なくIC出力後のの4.5Vに接続してます。あと回路図では電源部に0.1μFコンデンサが3個連なってますけど2個に削減。イマイチなら付け足すかも。
今回のポットにはCカーブが使われてます。
ちなみに海外ではAカーブをLog、BカーブをLinear(Lin)、CカーブをReverse Log(Rev Log)と表記します。レイアウトでも一応載せてますんで参考までに。
ケースなんですが、HAMMOND1590Bは横幅内寸56.50mm(表側55.45mm)なんで基板の横幅55.88mmならギリギリまで削らないと入らないかも。
1590N1とかなら入るでしょうけどね。
次は部品一覧
手に入りにくいのはCカーブとかかな?店頭にはなかなか置いてないと思います。
あ、今回はシルバーマイカってのを入れてます。
こんな形のやつ。雲母っていう天然素材で作られたコンデンサでして、お値段がちょっと高いヤツですわ。
今回の回路図には書いてないんですが1箇所だけマイカコンデンサを使用しています。本家の内部写真でも1個だけマイカを使用してるんですよね。
代用するならセラミックコンデンサでもOK。
金属皮膜抵抗は電源部に使用しますが、カーボン皮膜抵抗でも問題ありません。ICはTL072を指定してますが、デュアルオペアンプならどれでも使用可能です。
いつも通り保護用の1N4001は4001~4007のどれでも大丈夫です。
電源部の保護回路についてはいつも1N400系を使用してます。
整流ダイオードで保護回路を作るには直列に繋ぐ方法と並列に繋ぐ方法がありますが、直列に整流ダイオードを繋いだ場合、電流が通過するにあたり若干ですが電圧が下がります。
並列にすると電圧は下がりませんが、保護回路としては弱いです。直接防ぐわけじゃないからですねー
私はどちらでもありかなと思います。
電源の電圧にシビアな回路設計をされてるエフェクターがあれば別とは思いますがね。
海外なんかだと整流ダイオードの代わりにショットキーバリアダイオードを使っているサイトも見かけますが、これは整流ダイオードよりも電圧降下が少ないから使用しているようです。過去記事でも使用した1N5817とかです。
あんまりメジャーではない気がしますけど。
次回は製作していきまっせ!
今回は部品にもこだわってみようかな?
ではでは~
※6/19 レイアウトを修正