音響効果な日々

エフェクター解析・製作するで!

【製作】EQDが放つ天災、それがErupter

前回のつづき

t-tone-works.hatenablog.com

 

まずはレイアウト

PDFはこちらからダウンロード可能

https://drive.google.com/file/d/16IYIDHDsWDxULQqaiccs5_7qAtrqbz0U/view?usp=sharing

回路はシンプルなんですが、なにせトランスがデカいんですよね...

回路図ではトランスにXicon社製の42TL019が採用されていましたが、現在は製造終了となり入手が難しいです。

そのため一回り大きい42TM019で代用しています。

トランスの両脇に空いた大きい穴はトランスカバーの足を差し込む部分です。

トランスカバーの足はこんな感じで出ています。

基板に固定した方が安定するんですが、特に固定しなくても機能的には支障ないので面倒な人はここをニッパーでカットしちゃっても問題ないですよ~

 

 

次は部品一覧

販売が終了している部品が多いので、以下の3種については代用部品を使って製作していきます。

①42TL019 → 42TM019

前記した通り、サイズが違うだけで中身は変わらないので問題ありません。

②PF5102 → 2N5457

バッファで使用するだけなのでほとんど差は出ないと思います。

③2N497 → 2N3904

2N497のデータシートでは電流増幅率(hFE)は12~36となっていますが、類似品は見つけられませんでした。

そのため同じNPNトランジスタの2N3904(hFE=30~300)で代用します。

音色に影響が出てくる箇所なので、ここはソケット化して色んな種類で好みのトランジスタを探すのが良いと思います。

 

ちなみに、42TM019なら毎度お馴染みのGarretaudioさんが販売されてます。

他は特に入手し難い部品は無いはずです。

 

 

製作!

今回もプリント基板で製作しますよ~

基板の製作方法はこちらの記事を参照してください。

t-tone-works.hatenablog.com

42TM019のトランスカバーの足は2mmなので2~2.2mmくらいで穴を空けると綺麗に収まります。

また、差した足をはんだ付けしておくとしっかり固定されます。

完成した基板がこちら~

ひとまずこの状態で音出しして確認。

油断はミスの元なので確認作業は多い方がいいです。

組み込んだ後に「鳴らない...」なんて切ないですからね。

さて、ちゃんと音も出たし特に問題なかったので次に行きましょ~

 

 

組み込み

今回私が組み込んだ実体配線図も載せておきます。

トゥルーバイパス配線は慣れればほとんど一緒なので、スイッチ周りの配線方法を覚えておくと良いですよ~

実体配線図には電池スナップを配置してますけど、私はパワーサプライ派なので使いません。そこんところはご自由にどうぞ~。

ステレオジャックを使用してシールドが差さっていないときの電池消費を抑える配線方法もあります。

ステレオジャック端子はTip、Ring、Sleeveで構成されています。

モノラルジャック端子はTip、Sleeveで構成されています。

ステレオジャックにモノラルプラグのシールドを差した場合、Ring端子はグランドに接続します。

電池スナップの-側をRing端子に配線しておくとシールドを差したときのみ回路が成立するようになるので、シールドが差さっていない時の電池消費が抑えられるんです。

 

ステレオジャックの実体配線図も載せようかと思ったんですけど、部品によって位置がマチマチで間違いの元になる可能性もあるため止めときます。

 

 

完成

メタリックレッドで仕上げてみました。

私はHAMMOND1590Bで組み込みましたが、今回の基板はトランスの高さがあるためボードマウントポットで配線すると収まりきらない可能性があります。

1590Bよりも10mm高い1590BSなら十分にゆとりがあると思われます。

IN/OUTジャックをトップ側に配置してもよさそうですね。

 

 

試奏&調整するで!

さて、完成したところでまずは内部トリマーポットの調整から始めましょう。

ここの調整方法なんですが、海外の自作サイトでは「BIASツマミが一番良く効くように調整」としか書いてないんですよ。

どういう意味?ってなって調べ直すと、EQDサイトのペダル紹介文にこんなことが書いてありました。

中央でクリックする様になっており、中央に設定した状態で当社で設定した、最適なバイアスの位置になります。

これは私の想像ですが、「当社で設定した最適なバイアス位置」というのがFUZZ FACEのBIAS電圧である4.5Vだと思われます。

 

私の調整方法はこんな感じです。

  • BIASツマミをセンター位置にする
  • 電源を接続し、導通させる。
  • テスターを接続して2段目のトランジスタのコレクタに繋がる部分の電圧を測る。
  • BIAS ADJ(半固定)を回して4.5~5Vほどに調整する

テスターはこんな感じで接続すると電圧が測れます。

これでBIASツマミが中央に来たらFUZZ FACEのようなぶっとい音が鳴るようになります。

調整値が4.5~5Vってのは電源にもよりますが若干前後するからです。

だいたいこの辺りなら大丈夫ってイメージですのであしからず。

 

さて、調整も済んだことですし弾いてみましょう。

まずはBIASツマミをセンターにすると...

まさに王道のFUZZという感じを受けますね。

これでも全然良いな(笑)

次にBIASツマミを絞り切ってみます。

しっかりとゲートが掛かった威圧感のある音になりました。

これはなかなか手ごわいな...

ちなみにこの時の電圧を測ってみると2.3~2.5Vくらい。

最後にBIASツマミ最大。

暴れ狂った攻撃的なFUZZになりました。

この時の電圧を測ってみると7.6~7.8Vくらい。

個人的にはBIASが1時~2時くらいの時が一番気持ち良い歪み方をしてくれました。

コレクタに掛かるバイアス電圧の変動は4.5Vを中心に±2.2~2.4くらいでした。

各電圧値はあくまで私の場合なので、参考として見てくださいね~。

 

 

さて、今回もこれにて終了!

バイアス電圧調整、ピックアップシミュレーションなどなど、なかなかお目にかかれない回路が盛りだくさんなところはさすがEQDと言わせる面白い一台でした。

本家の製品には現在市販されていない貴重な部品が使われているので、

本家の製品を買っといて損は無さそうです。

いつか揃えて弾き比べてみたいな(笑)

 

ではでは~